MY DYING BRIDE/TURN LOOSE THE SWANS

鍵盤楽器兼ヴァイオリニストを含む6人組（当時）UKゴシックデス・ドゥーム神の２nd。耽美的、オカルティックで絶望的に暗く永遠に沈んでいくような音楽。CELTIC FROSTやBLACK SABBATH、SISTERS OF MERCYからの影響を公言していますが、このアルバムはそれまでの、またその後形成された（90年代以降の）ゴシックムーヴメントまで見渡してもあまりにも異形です。ジャンルはメタルということになっていますが、演奏テクニックを目的とせず、ひたすらに内に抱える暗闇と憂鬱を描き続ける、重たくメランコリックでエモーショナルな音楽です。（ニック・ケイヴを敬愛する）ヴォーカルにも象徴的でそれまでのメタル的ヴォーカルとは断絶した内省的な感情表現をします。つぶやき語りかけるヴォーカルからデモニックなデスヴォイスまで。アンダーグラウンドハードコアレーベルとして始まったPEACEVILLEレーベルですが、90年代にはハードコアともメタルとも違うまったく新しい歴史を創り出していました。（後のニュースクールHCにも通底するものを感じます。）